さあ、才能に目覚めよう

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

本書は自分の強みを認識するための本。

就活時期に入ってから自分とは何者なのかについてやっと悩みだすぐらいなら、ということで、就活時期は一年遅らせて、自分探しの旅をすることにした。まぁ、就活のためだけに自分探しするものでもないだろう。いつでも、何度でも『自分は何者か』という問いは問うてもよい。問う必要がある。

自分がいったい何者なのかはっきり理解していないと、自分がそれまでに得た知識や積み上げられた実績によって自分自身を規定してしまう。この自己規定が進路を変える意欲も新たな方法で物事を対処する意欲も減退させる。さらに、自分が何者なのかはっきりしないと、他人に関しても、学歴や性別や人種など表面的なことだけで判断するようになってしまう。そういう人間(関係)はつまらない。

『自分は何者か』という問いは、『自分はどういう強みを持った人間か』という問いと同義である。「強み」とは、「常に完璧に近い成果を生み出す能力」のことである。首尾一貫していて、コンスタントに発揮できるものが強みである。例えば、格闘家のミルコ・クロコップの強みは左ハイキックだ。立ち技のK-1から総合格闘技のPRIDEに主戦場を移しても、左ハイキックが相手を一撃で仕留めるミルコの強力な武器であった。環境に左右されず発揮されうるものが強みなのである。

ミルコのたとえは微妙だが(笑)、成功を収めるすべての人に共通しているのは、持てる才能を最大限に発揮し、自らの強みを磨き、仕事に活かすすべを知っていることだ。そのためには、まず自分の強みを理解する必要がある。しかし、自分の強みがいったい何であるのかを特定するのは案外難しい。自分がなんとなく自分の強みだと思っていることは、本当の強みではないかもしれない。というのも、「強み」=「才能(先天)」+「経験(後天)」で表現され、才能はそれほどないけども、経験だけでなんとかなっていることが強みだと思い込んでいることが往々にしてあるからだ。*1

自分の中に埋もれた才能を見つけるためには、さまざまな状況下で自分は無意識にどのような反応をしているのか、自分自身をよく観察することだ。
例えば、友人の日記に特に考えずにコメントをするといった日常の些細な反応ひとつを取り上げてみて、

・真面目なコメントをする
・おもしろかった共通の過去を暗示するようなコメントをする
・他の人がコメントに続きやすいような書き込みをする
・日記とは関係のない一言を書き込む
・リスク承知で相手の瘡蓋をはがすようなコメントをする

といったような選択肢から自分はどれを選んでいるのかを観察してみるのもよいかもしれない。
そして、インプット(友人の日記)されたものが自分の頭の中(ブラックボックス)を経て、どのようにアウトプット(コメント)されるのか、自分の頭の中(ブラックボックス)でどのようにシナリオが構想されているのかといったことを、できる限り体系化することが、自分という人間を明らかにすることに繋がるはずだ。
また、より反射的な反応として、交際している異性から突然別れを告げる連絡が来たという状況も考えられるだろう。

・ふられた原因を分析し、何がいけなかったのかを突き止めようとする(回復志向)
・早急に次期交際対象候補の面接日時の設定を行う(戦略性)
・ふられてよかった面を探し出す。自由時間と貯蓄が増えたぜ(ポジティブ)
・こんな自分をふった相手の悪い面を探し出す(自己中心)
・実はディスプレイの中の彼女にふられてみただけだった。また妄想開始(自演乙)
       ()は本書における、強みの定義を参考にした

最終的には自分の反応を分析して、強みを把握することが必要ではあるが、本書には強みを知るための簡易テストがあり、おおよその自分の強いを知ることができる。自分の結果を下に示す。

自分だけの特長的な資質

The Gallup Organizationが長年に渡って実施してきた調査によると、仕事を最も効果的に行うのは、自分の強みと行動を理解している人たちです。 このような人たちは、仕事や家庭生活で日々求められていることをやりこなす戦略的な能力に優れています。

自分にどのような知識やスキルがあるかを確かめることによって、基本的な能力はわかりますが、自分の本来の資質に気付き理解することによって、どのような行動を取ることで将来成功を収められられるかがわかります。

「自分だけの特長的な資質」のレポートは、あなたのStrengthsFinderの結果に基づき、上位5つの資質を強い順に並べたものです。 全34項目中、これらの資質があなたの強みの上位5つです。

「自分だけの特長的な資質」は、資質を最大限に活かし、将来の成功につなぐ手がかりとなります。 個々の資質に着目したり全体を概観することで、自分にどのような資質があるかをよく把握することができ、さらにそれらを強みとして成長させ、仕事やプライベートの両面で一貫してよい結果を得ることができます。

責任感
あなたは責任感という資質により、自分がやると言ったことに対しては何でもやり遂げようという強い気持ちを持ちます。それが大きかろうと小さかろうと、あなたは完了するまでそれをやり遂げることに心理的に拘束されます。あなたの良い評判はそこから来ています。もし何かの理由であなたが約束を果たせない時、あなたは相手に対してそれを何らかの形で埋め合わせる方法を無意識に探し始めます。謝罪では十分でありません。言い訳や正当化は問題外です。あなたは埋め合わせが終るまで、生きた心地がしません。このような良心、物事を正しく行うことに対する強迫観念に近い考え、非の打ち所がない倫理観、これらがすべてあいまって「絶対的に信頼できる」という高い評判を生み出すのです。人が新しい責任を誰かに任せる時、まずあなたに目を向けるでしょう。あなたがその責任を必ず果たすことを知っているからです。人々があなたに助けを求めてくるとき――すぐにそうなるでしょうが――あなたは選ぶ目を持たなければなりません。進んで事に当たろうとするあまり、できる範囲以上に仕事を引受けてしまう場合もあるからです。

内省
あなたは考えることが好きです。あなたは頭脳活動を好みます。あなたは脳を刺激し、縦横無尽に頭を働かせることが好きです。あなたが頭を働かせている方向は、例えば問題を解こうとしているのかもしれないし、アイデアを考え出そうとしているのかもしれないし、あるいは他の人の感情を理解しようとしているのかもしれません。何に集中しているかは、あなたの他の強みによるでしょう。一方では、頭を働かせている方向は一点に定まっていない可能性もあります。内省という資質は、あなたが何を考えているかというところまで影響するわけではありません。単に、あなたは考えることが好きだということを意味しているだけです。あなたは独りの時間を楽しむ類の人です。なぜなら、独りでいる時間は、黙想し内省するための時間だからです。あなたは内省的です。ある意味で、あなたは自分自身の最良の伴侶です。あなたは自分自身にいろいろな質問を投げ掛け、自分でそれぞれの回答がどうであるかを検討します。この内省という資質により、あなたは実際に行っていることと頭の中で考えて検討したことと比べた時、若干不満を覚えるかもしれません。あるいはこの内省という資質は、その日の出来事や、予定している人との会話などといったような、より現実的な事柄に向かうかもしれません。それがどの方向にあなたを導くにしても、この頭の中でのやりとりはあなたの人生で変わらぬものの一つです。

学習欲
あなたは学ぶことが大好きです。あなたが最も関心を持つテーマは、あなたの他の資質や経験によって決まりますが、それが何であれ、あなたはいつも学ぶ「プロセス」に心を惹かれます。内容や結果よりもプロセスこそが、あなたにとっては刺激的なのです。あなたは何も知らない状態から能力を備えた状態に、着実で計画的なプロセスを経て移行することで活気づけられます。最初にいくつかの事実に接することでぞくぞくし、早い段階で学んだことを復誦し練習する努力をし、スキルを習得するにつれ自信が強まる――これがあなたの心を惹きつける学習プロセスです。あなたの意欲の高まりは、あなたに社会人学習――外国語、ヨガ、大学院など――への参加を促すようになります。それは、短期プロジェクトへの取組みを依頼されて、短期間で沢山の新しいことを学ぶことが求められ、そしてすぐにまた次の新しいプロジェクトへに取組んでいく必要のあるような、活気に溢れた職場環境の中で力を発揮します。この「学習欲」という資質は、必ずしもあなたがその分野の専門家になろうとしているとか、専門的あるいは学術的な資格に伴う尊敬の念を求めていることを意味するわけではありません。学習の成果は、「学習のプロセス」ほど重要ではないのです。

目標志向
「私はどこに向かっているのか?」とあなたは自問します。毎日、この質問を繰り返します。目標志向という資質のために、あなたは明確な行き先を必要とします。行き先がないと、あなたの生活や仕事はたちまち苛立たしいものになる可能性があります。ですから毎年、毎月、さらに毎週でさえ、あなたは目標を設定します。この目標はあなたの羅針盤となり、優先順位を決定したり、行き先に向かうコースに戻るために必要な修正をする上で、あなたを助けてくれます。あなたの目標志向は素晴らしい力を持っています。何故ならそれはあなたの行動をふるいにかけさせるからです。――すなわち、特定の行動が目標へ近づくために役に立つかどうかを本能的に評価し、役に立たない行動を無視します。そして最終的に、あなたの目標志向はあなたを効率的にさせるのです。当然ながらこの裏返しとして、あなたは遅れや障害や、例えそれがどんなに興味深く見えようとも本筋から外れることにいらいらするようになります。このことは、あなたを集団の一員として非常に貴重な存在にしています。他の人が脇道にそれ始めると、あなたは彼らを本筋へ連れ戻します。あなたの目標志向は、目標に向かって進むために役に立っていないものは重要ではないということを、あらゆる人に気付かせます。そしてもし重要でないなら、それは時間を割く価値がないということです。あなたは、あらゆる人を進路から外れさせません。

最上志向
優秀であること、平均ではなく。これがあなたの基準です。平均以下の何かを平均より少し上に引き上げるには大変な努力を要し、あなたはそこに全く意味を見出しません。平均以上の何かを最高のものに高めるのも、同じように多大な努力を必要としますが、はるかに胸躍ります。自分自身のものか他の人のものかに関わらず、強みはあなたを魅了します。真珠を追い求めるダイバーのように、あなたは強みを示す明らかな徴候を探し求めます。生まれついての優秀さ、飲み込みの速さ、一気に上達した技能――これらがわずかでも見えることは、強みがあるかもしれないことを示す手がかりになります。そして一旦強みを発見すると、あなたはそれを伸ばし、磨きをかけ、優秀さへ高めずにはいられません。あなたは真珠を光り輝くまで磨くのです。このように、この自然に長所を見分ける力は、他の人から人を区別していると見られるかもしれません。あなたはあなたの強みを高く評価してくれる人たちと一緒に過ごすことを選びます。同じように、自分の強みを発見しそれを伸ばしてきたと思われる人たちに惹かれます。あなたは、あなたを型にはめて、弱点を克服させようとする人々を避ける傾向があります。あなたは自分の弱みを嘆きながら人生を送りたくありません。それよりも、持って生まれた天賦の才能を最大限に利用したいと考えます。その方が楽しく、実りも多いのです。そして意外なことに、その方がもっと大変なのです。


責任感ある気がしてきた。

結論:自分の強みを理解し、強みに磨きをかけろ

*1:才能とは、無意識に繰り返される思考、感情、行動のパターンでのことであり、才能なくしての強みはありえない。